令和2年6月10日(水)、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、『東京2020組織委員会』。)によって、国際オリンピック委員会(IOC)理事会に、東京2020大会の準備状況が報告されました。
令和2年3月24日(火)に東京2020大会の延期が決定した後、4月16日(木)のエグゼクティブプロジェクトレビューでは、東京2020大会延期に伴う大会準備の枠組みについて合意されました。
共通理念
- オリンピックの本質は競技とアスリートにあり、そしてそれは世界を一つにする力がある。
- 東京2020大会もアスリート、持続可能性、復興、そしてスポーツの持つ力に重点を置き、人類にとってより明るい未来を形作る契機としていく。
- これらの理念を柱にして、2021年に行われる東京2020大会を行う。
コロナ以前
- コロナ感染により延長が決まるまで、2020年に世界最大のスポーツイベントの祭典として開催する準備を進めてきた。
- そのプランは、記録的な参加者数を、日本ならではの最高のおもてなしで迎え、そしてイノベーションを通じ世界中の感動、協調、興奮をベースにするものだった。
コロナの影響
- コロナは世界を変え、そして物事の優先順位も変わった。
- オリンピック・パラリンピックは史上初の延期となり、コロナのもたらす社会的・経済的影響から、開催には新たな課題が生じている。
- 私たちは、大会の成功のためには、全てのステークホルダーが、創造性、柔軟性、決意をもって、これまでにない形での協力をワンチームで進めていく必要がある。
- 私たちは、大会にとって最重要なもの、開催都市、開催国の人々にとって有益なものを、引き続き重視していく。
- 同時に、こうした世界的な状況は、日本、オリンピック・ムーブメント、そして世界にとって団結・連帯の大きな機会を提供する契機となる。
2021年における東京2020大会
- 東京2020大会は、史上初の延期となった大会である。
- 東京2020大会は、過去に例をみない団結と共生の祭典になるだろう。
- 東京2020大会は、世界に復活・復興の証を示すものとなるだろう。
- 東京2020大会は、人類の希望、くじけぬ力、そして一つとなって取り組む力の象徴となるだろう。
- 東京2020大会は、日本のベストを結集し、経済を活性化させ、スポーツが人々と世界の健康と幸福をいかに向上させるかを示す、未来への持続可能な出発点となるだろう。
- そして、東京2020大会は最高の競技大会になる。
2021年の開催に向けた方針
上記のビジョンを礎に、関係者が一体となって、以下の三点の基本原則のもとに準備を進めていく。
- 選手、観客、関係者、ボランティア、大会スタッフにとって、安全・安心な環境を提供することを最優先課題とする。
- 延期に伴う費用を最小化し、都民・国民から理解と共感を得られるものにする。
- 安全且つ持続可能な大会とするため、大会を簡素(シンプル)なものとする。
原則
世界における経済、社会、医療の新たな状況に即し、延期に伴う費用と負担を最小化し、国民・都民から理解を得るべく、競技と選手に重点を置きつつ、サービス水準の見直しを含んだ効率化・合理化を進め、簡素(シンプル)な大会とする。
競技と選手については、基本を維持しつつ、必要かつ可能な場合に、新たな状況にも即した対応を行う。
全ての大会関係者とパートナーと一体となって、下記の点を含め、華美なものとはせず、簡素(シンプル)な大会を実現する。簡素(シンプル)化は、コスト削減とコロナ対策の両面から求められる。
- 大会関係者に対し東京大会への参加者の削減を要請
- 特に予算影響の大きい分野を含め、全ての分野を対象に効率化・コスト削減を検討
- 会場毎・関係者毎の検証にもとづくサービスレベルの見直し
- 大会関連イベントの再検討