新型コロナウイルス感染症を克服するには、偏見や差別の問題とも向き合わなければなりません。近時は、ワクチン接種の有無に関係した人権問題も発生しています。不安な気持ちは、誰もが持っています。感染症に関する正しい知識を踏まえ、引き続き、偏見や差別の解消に向けた啓発にしっかりと取り組みます。
インターネット上での誹謗中傷や、差別を助長するような情報の発信は、いまだ後を絶たず、SNS上でのいじめも社会問題となっています。携帯電話会社等と連携した人権教室の実施や、デジタルネイティブといわれる身近にインターネットがある環境で育った世代の声を積極的に取り入れることなどにより、インターネット利用のルールとマナーに関する効果的な啓発活動を行います。
これまで、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、体験型の人権教室などの各種人権啓発活動を通じて、「心のバリアフリー」を推進してきました。この取組などを通じて築かれた共生社会の礎を、レガシー(後世に遺すべき有形・無形の財産)として継承し、持続可能な開発目標(SDGs)で掲げられた「誰一人取り残さない」社会の実現を更に目指します。
このように、様々な人権課題が依然として存在していますが、これらは決して、自分以外の「誰かのこと」、「自分には関係のないこと」ではありません。法務省の人権擁護機関では、本年度も、人権問題を自分や自分の身近な人の問題として捉え、互いに人権を尊重し合うことの大切さを認識し、他人の人権にも配慮した行動をとることができるよう、「『誰か』のこと じゃない。」を啓発活動重点目標に掲げ、受け手を意識した啓発内容の工夫や、ウィズコロナの生活、技術の進歩などの社会情勢を踏まえたICT等のデジタル技術の活用、企業による人権尊重への取組に対する支援など、各種の人権啓発活動を幅広く、効果的に展開します。が国では,未来に向けて社会全体で人権問題に取り組もうとする気運がかつてなく高まっています。
しかし,一方では,いまだに,生命・身体の安全に関わる事象や不当な差別などの人権侵害が存在しています。
強調事項は下記の17項目です。
1. 女性の人権を守ろう
2. 子どもの人権を守ろう
3. 高齢者の人権を守ろう
4. 障害を理由とする偏見や差別をなくそう
5. 同和問題(部落差別)を解消しよう
6. アイヌの人々に対する偏見や差別をなくそう
7. 外国人の人権を尊重しよう
8. HIV感染者等に対する偏見や差別をなくそう
9. ハンセン病患者・元患者・その家族に対する偏見や差別をなくそう
10. 刑を終えて出所した人に対する偏見や差別をなくそう
11. 犯罪被害者とその家族の人権に配慮しよう
12. インターネットによる人権侵害をなくそう
13. 北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めよう
14. ホームレスに対する偏見や差別をなくそう
15. 性的指向及び性自認を理由とする偏見や差別をなくそう
16. 人身取引をなくそう
17. 東日本大震災に起因する偏見や差別をなくそう
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